私の手記- memoir -です


by masatokunkeio

裏の裏にあるラーメン屋でふと・・・。

私が住む町は「田舎」です。夜になると人がいなくなる町ですから(笑)。
街灯も少なく、薄暗く、狭い道。
昔のままの暖簾に、アルミサッシの出入り口。
戸を開けると「カラカラカラ」とサッシの軽い音がする。
ラーメン屋の店名も汚れでハッキリ分からず、小さな町角の裏の裏にある小さな店舗。
ふと、そんなとこに行きたくなりました。

その周囲の店は全て閉まり、向こうにある自動販売機の明かりが煌々と周囲を照らしているのみ。
そのラーメン屋の明かりもさほど明るくない。

カップル。家族。老夫婦。友人たち。
暗闇に人が列を作って待っている。
偶に車が通ると、その店の横で徐行しその「行列」の様子を見、通り抜ける。

20人入ったら満員になる店内。作っているのはラーメンのみ。
注文できるのもラーメンのみ。他のメニューは一切無い。

ラジオで野球中継をやっていた。

話をする人もいなく、椅子に腰掛けるとしばらくしてラーメンが出てきた。

健康志向の21世紀。まさにアンチテーゼのNo.2だ。
油が多く、麺の上にのっているものは、薄いチャーシュー3枚ともやしとネギ少々。
麺の量も多くなく、価格も決して安くはない。

麺すすりながら右横を見る。
女の子が化粧を気にしながら黙々と食べている。

スープを飲みながら左横を見る。
連れの向こうには老夫婦がセルフサービスの水を取りに行っている。
その向こうには子連れのママが・・。

「いらっしゃいませ。」
「有り難うございました。」

店の人はおおむねその言葉以外口にしない。


ふと・・・。

郊外の、しかも、
裏の裏で、
狭い店舗で、
田舎で、
ラーメンだけで、

行列ができるラーメン屋。

儲かるだろうからお金を借り込み
店舗を拡げ
メイン通りに進出し
メニューも増やし
バイトをたくさん雇い
なんとかセット、なんとかサービスに精を出し
光熱費をバンバン掛ける。

そんな世間に目もくれず

たんたんと

何十年も同じ味。3人の老人がラーメン一杯に心を込める。

食べ終わり
「ごちそうさま」と。

「ありがとうございました」の背に、
また「カラカラカラ」とアルミサッシを開けて表へ出ると

親子づれ、カップルが3,4組。街灯がない道に並んで待っていた。
時は10時近く。本当に真っ暗だ。

慌ただしい資本主義の世の中で、

このラーメン屋の絶え間ない行列は

私に何かを語りかけてくれた。
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by masatonet | 2009-08-23 15:25 | ヒトリゴト日記