私の手記- memoir -です


by masatokunkeio

次のシンデレラは誰だ

ロイヤルウエディングを見てつい感じたこと。

一市民と結婚した王子様物語は数多い。

大体、あの手のハッピーストーリーは結婚式でいつも話が終わっている。
(実際は残酷な結末であることが真実なのだが、大半の絵本や幼児書籍ではカットされている)
結婚式は目的ではなく、スタート地点であるのに、「結婚式が終点」という常識に欠いた内容を子供達へ擦り込む。まるで「大学入試合格が終点」という荒廃した日本の教育システムと変わりない。
この現実極めて腹立たしい。非常に遺憾である。

さておき、

今回は、かの「シンデレラ物語」とその後について考えてみることにしたい。
王子様と結婚したシンデレラ。その後、どうなったか考えてみると色々興味深い。

王子様は代々王家に生まれ育った。王族環境の中で市井とは違う価値観を持ちそこでシンデレラと出会う。朝から晩まで、着替えから入浴まで側近や従者に囲まれた生活の中で育った王子。それが王子の「普通」なのである。どこかに出かけるにしても良かれ悪しかれ放っておいてもらえない。

シンデレラは貧しい家に生まれ育った。3姉妹の末でいつも貧乏くじを引いていた。苦労の数は人一倍多い。当然、貧しい環境で暮らして行くための知恵は多く持っていた。誰からも注目されない。いつも独りぼっち。家族にすら蔑ろにされている。それがシンデレラの「普通」なのだ。どこに行こうが誰も気づかない、誰も知ろうとしない。
そうして王子と会う。


王家に嫁いだシンデレラ。まさに多く女性が望む「白馬に乗った王子が迎えに来た」わけである。


いきなり始まった王宮での生活。王族達との社交。気高い気質を持つ人々。
知ったかぶりをするほど下品な性格は持っていない。かりに知ったかぶりをしようにも、貧しい生まれのシンデレラにとって生まれて初めてのことばかり。

たちまち、王子側近たちとの不調和に悩み始める。それもそのはず。生活環境に適応しようにも違いが大きすぎてどうにもならない。王子に相談しようにもどう伝えればよいのか分からない。シンデレラは全く「孤立」してしまい、日々塞ぎ込むようになる。
その異変に気づいた王子。ゆっくり2人で話をしたい。しかし不幸にも王子はシンデレラの心境など理解できるわけがない。順境で育ったものは逆境で育ったものの理解など出来ないことは何千年も前から宗教が教えている。その逆もまたしかりである。王子も国事でなにかと多忙。ゆっくり話も出来ない。その間にシンデレラはどんどん沈んで行く。


ここまで「シンデレラ物語」を考えてきて、ふと日本の皇太子の言葉を思い出した。

「雅子は私が守ります」

守る?! 
戦争でもするの? 
誰から守るの?


人は夢の世界だけで「シンデレラの幸せ」を想像できる。
そしてそれにあこがれ、自分にも起こらないものかと日々想像する。
実際、それが起こった人を見てうらやむ。嫉妬する。まるでクジが大当たりした人を見るように。
その白羽の矢が立った人が不幸になるよう祈り始める人すらある。人間とは恐ろしい存在だ。いや、「死すべき存在」はそういう性(さが)をもってこそ「死すべき存在」なのだろう。

独身時、多くのファンをもつ芸能人が結婚する。するとそのファン達は「幸せになって!」なんて応援しつつ、その芸能人が離婚することを切に願うようになる。そう、その芸能人の夫、妻たるべき人間は自分に決まっている。そう真剣に思う「気ちがいじみた恋愛感情」こそファンの本心だ。
気味が悪いほど本音と建て前を極めて上手に使い分ける。みな社会の中で生きているから本音を言えない。


かつてダイアナ妃が事故にあったとき、彼女は集まってきた人たちに向かって何と言っていたか。

「私を放っておいて! 私に構わないで!」

この言葉、なぜかここで私が言いたいこと全てを物語っているように思われてならない。
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by masatonet | 2011-05-10 09:51 | ヒトリゴト日記