飛翔するエコ思考

ひと昔、と言っても15年くらい前だが、外車の多くは(当方はメルセデスだったが)新型試乗をする際、販売店や代理店の人は同乗せず、あちこち乗り放題だった。さもすると一ヶ月くらい貸してくれるのが当然だった。今でも「上得意さま」にはそのようなサービスをやっているディーラーもあるだろうが。

しかし本格的な不景気になって、そのようなサービスも下火になったことは明らかだ。最低価格500万円以上が当然だった外車も今や100万円台から新車を買う事ができる。

長年外車を使っていると必然的に外車ユーザーと交流が多い。BMWやメルセデスを乗っている人達が友人にも多数いる。が、しかし、私を含めて多くは国産車へとシフトしていった。その理由は経済性である。

社用車として使うなら経費の面でも「その他の面」でも外車は見栄えが良いし、まあ結構多いのではないか。近所でもメルセデス、ポルシェ2台持ちの方々は大抵そうである。

しかし自家用となると、特に「正しい経営概念」ある方だと経済性は無視できない。修繕費や日々の燃料費は塵も積もれば山となるで馬鹿にできないのだ。

兎に角、経済性を第一優先するとまず問題になるのが「つまらなさ」である。国産車の大半が運転していて「つまらない」車であるし、事実そうであった。

メルセデスからクラウンへ買い換えた人が一度運転させてくれた事があった。

その時、痛感したのだ。

「ああ、運転は楽しくなくてはいけないのだ」と。


しかし、時代はドンドンとエコ思考へ進んで行く。そうしてガソリン倹約的な運転へ、「エアコンをつけるって!!??ガソリンがもったいない!!!」なんて日常会話になって来た。

省エネは確かにガイヤフレンドリーであるし、震災後大切な考え方である事は疑う余地もない。しかし考え方までが省エネになって来てしまう。まさしく「ノミ」である。

鉄の板の上にノミを乗せ上からフタをする。
下から火を当てると鉄板が熱くなる。
ノミは熱いので逃げようと必死に飛び上がる。
しかし上にフタがあるので高くは飛び上がれない。
その後フタを無くしても、ノミはフタの高さまでしか飛び上がる事ができない。

まあ、これが事実かどうかは分からないが、例えとしては分かりやすい。

省エネ省エネ行っていると、結局全てが省エネ的思考になって、節約一辺倒になってしまいかねない。もちろん浪費思考も大変危険だが、過剰なエコ思考、省エネ思考は萎縮につながりかねない。

自動車で言えば、スバルBRZ(トヨタ86)がそれを上手く壊してくれたと思う。エコカーだらけのここ15年来で燃費を無視した運転して楽しい車であるスポーツ車を大衆車の一角として堂々と発売したのである。フェラーリのようなスポーツ車は昔よりずっと販売され続けているが大衆的ではない。大衆車として量産スポーツカーの動向に多くが注目した。

そして、冒険的とも言われたBRZはトヨタの販売網があったからか、いやそれだけではないだろうが、省エネ社会に大きく受け入れられた。見る見るうちに方々で見かけるようになった。

建前上は四人乗りであるが、やはりファミリカーではない。運転が楽しくても後部座席に人が楽に乗れないと、まあ通勤用かデート用としか使えない。男のロマンをかんじさせるが、BRZは長年祖父のセリカ2000やXX(ダブルエックス)やらに散々乗り続けた我が家の人達には「懐かしいが、なんかちゃっちい感じ」と酷評だった。

そこにきていきなり(でもないが(笑))新型プリウスである。
デザインはかなり挑戦的だが、乗り心地やドライブフィーリングは一気にランクアップした。

あのメルセデスのドライブフィーリングと同一かと詰問されれば「違う」と答えるしかない。あのメルセデスの安定性は絶対的だし、今でも家人とのクルマの話題では「ベンツのドアは重たかった、ベンツは車内が静かだった」が一位を貫いているくらいだ。高速走行に至っては、時速120キロを超えた辺りから始まる地面に吸い付いたような走行感は今でも忘れる事ができない。

とは言っても、故障も多かった。これは当たり外れがあるのかもしれないが、「修理代でもう一台クルマが買える」は決して皮肉ではなく事実だった。

我が家のプリウスも3台目となり、ありがたい事に、今回のトヨタのTNGAには裏切られなかった。新車注文初めて「試乗せずに注文」という暴挙に出たが、カタログはウソをついていなかった。予約販売のおかげで去年の12月発売の車が1月20日過ぎに我が家に来ていた。我が家のランクルなんて大衆車でもないし、人気車でも無かったのに半年以上納車を待たされたくらいだから、いくらデザインが「ああでも(爆)」新型プリウスの注文は殺到しているだろう。

カタログスペックだけで車を販売し続ける事に限界を感じたトヨタは、今回のプリウスでドイツ的なパースペクティブを見に出そうとしている。

わかる人が乗ればわかる

なかなかうまい売り方を始めた。

高い車が良い。いわゆる高級車が良い。そんな人はどうでも良い(笑)。


新車プリウス3台目にして、はじめてタイヤのカタログを日々見ている私がここにいる。

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by masatonet | 2016-02-01 06:36 | ヒトリゴト日記